2021.9.27葬儀コラム

【難解!?】葬儀用語トップ10【前編】

9月に入りすっかり秋めいてきました。
「読書の秋」と関係あるのかないのか、葬儀屋さんになって間もない頃のお話です。
 
“会葬礼状(かいそうれいじょう)の原稿を確認してもらってこい”、
との指示を受け、お客様宅にお伺いしました。
 
文字が少し小さかったのか、お客様から
「原稿がよく見えないから読み上げて欲しい」と頼まれました。
 
堅い文章でじっくり目を通すのは初めて、
意味は分かるけど、読みの分からない漢字のオンパレードでした。
 
結果、読めませんでした(T A T)
思い出すと恥ずかしい・・・黒歴史ですね。
 
葬儀用語は普段使わないコトバですから、馴染みが薄いですよね。
それなのに、葬儀社スタッフはお客様に対し専門用語を連発しがちです。
 
そんな専門用語に煙に巻かれないように、
今回は「読めない」「意味が分からない」葬儀用語をトップ10形式でご紹介します。
 
業界用語ではなく、お客様との打ち合せでも使う一般的な葬儀用語です。
ちなみに、ランキングは自社調べですよ(笑)
 


10位.直葬

読み:ちょくそう
意味:通夜・告別式など儀式を行わない火葬のみの葬儀形式



直葬・一日葬・一般的な葬儀の違い(クリックで拡大します)
 
記念すべき?第10位は「直葬」です。
コロナ禍で増えたといわれてます。
 
「ちょくそう」と呼ばれるようになった経緯には諸説ありますが、
警察用語の「直送」(葬儀を行わずに直接火葬するご遺体のこと)を「直葬」に言い替えたのが始まりとも言われます。
 
呉音(ごおん)をよく使う仏教風に発音すると「じきそう」とも読めます。
「ちょくそう」「じきそう」のどちらも正しい読み方です。
 
ただし、濁音+破裂音が続く「じきそう」は正直なところ発音しにくいため、
ワンハートセレモニーでは「直葬」は「ちょくそう」と呼んでいます。
 
 


9位.斎場

読み:さいじょう
意味:葬儀を行う施設、火葬場が併設されていることも多い



堺市立斎場(さかいしりつさいじょう)
 
「斎場」とは、元は神道の用語で祭祀・儀式を行う場所を意味してました。
それが転じて葬儀を行う場所をあらわすようになった訳です。
 
葬儀を行う場所としては、まず自宅があがります。
自宅を除くと、市町村が運営する【公営施設】と、
民間の葬祭業者が運営する【民間施設】とに分かれますね。
 
堺市立斎場
瓜破斎場
たかいし斎場
箕面市立聖苑
などなど、【 地名 + 斎場/聖苑 】となっていれば、ほぼ公営施設です。
そして、公営なら火葬場が併設されているところがほとんどです。
 
その一方、
西心会館
泰心館
あいぜんホール
【 〇 〇 〇 会館/ホール 】などの名称なら民間施設が多いです。
 
もちろん例外はあります。
九州の一部では、葬儀会館を「斎場」と呼び、
火葬場のことを「火葬場」「葬斎場」と呼んでるようです。

九州旅行で見かけた某葬儀会館 看板には「斎場」とあります
 
 


8位.搬送

読み:はんそう
意味:葬儀用語なら、ご遺体を目的地へ移すことの意


寝台霊柩車:故人様もお柩もどちらでも搬送できます
 
「搬送」は一般的なコトバですが、
葬儀用語としてもよく使われます。
 
葬儀依頼のお電話をいただいた時、
「〇〇病院へお迎えのあと、故人様をどちらにご搬送しますか?
葬儀社スタッフは、これをまずお尋ねします
 
他にも、葬儀社のパンフレットやホームページには、
葬儀プランに「搬送料」と書かれてたりします。
 
「搬送」とは交通手段を用いて目的地へ人・物を運び送ることです。
 
似たコトバに「運送(うんそう)」があります。
これは目的地に関係なく、人・物を単に【運ぶ】ことを示す意味です。
 
ですから、「故人様を運送する」とは言いませんね。
故人様がうつる先は自宅や式場などハッキリしているからです。
 
 


7位.棺

読み:ひつぎ
意味:故人様を納めてほうむるための入れ物



白の布張り棺 現在では合板の寝棺が主流です
 
棺は「ひつぎ」とも「かん」とも読めますが、
漢字一文字の「棺」なら読みは「ひつぎ」です。
 
例えば「お棺(おかん)」「納棺(のうかん)」「出棺(しゅっかん)」など、
別のコトバとくっつく場合は「かん」と読みます。
 
「柩」も「ひつぎ」と読みます。
慣用的に、単なるモノとしてのひつぎなら「棺」、
故人様が納まっている場合には「柩」と使い分けています。
 
ところで、初めて棺を目にするお客様からは次のような質問をよく受けます。
 

Question
お相撲さんとか、身体の大きい人は、
棺に納まるの?火葬できるの?

棺にもサイズがあります。

弊社でよく使用する棺
【標準サイズ棺】長さ182cm・幅53cm・高さ41cm
【大型サイズ棺】長さ195cm・幅60cm・高さ45cm
 

ワンハートセレモニーでは、過去になんどか100Kg超の故人様をお手伝いしておりまして、
大型棺に納棺できました。
柩の中はいっぱいいっぱいになりますが・・・m(_ _)m
 
実は、故人様の大きさにあわせて棺のオーダーメイドもありますが、
どこまでも大きくできる訳ではなく、火葬炉に納まるサイズが上限です。
 

火葬炉の大きさ【堺市立斎場の場合】
【普通炉】長さ200cm・幅60cm・高さ55cm
【大型炉】長さ205cm・幅65cm・高さ55cm
▲この炉に納まるサイズの棺でなければいけない訳ですね。
 
ちなみに、お相撲さんの町、東京の両国。最寄りの火葬場は町屋斎場です。
こちらの大型炉は長さ240cm・幅75cm・高さ70cm
と東京最大のサイズだったりします。
 
 


6位.位牌

読み:いはい
意味:故人様の戒名(法名)・俗名・命日・年齢を書いた仏具



白木位牌と塗り位牌
 
中国の儒教がルーツのもので、日本では江戸時代に一般化したそうです。
 
白木と塗りの違いですが、
白木位牌はご葬儀から満中陰法要まで祀っておくものです。
葬儀で使うものなので、遠くからでも戒名が読めるよう割と大きなサイズです。
 
塗り位牌は満中陰法要のあとずっと祀っておくものです。
たまに白木位牌を長い間祀っている方を見かけますが、
だんだんと変色してくるので注意が必要です。
 
日本の位牌が独特なのは、故人の魂が宿る場と見なされているところです。
仏教的には、故人の霊は本尊とともに浄土にあり、仏壇の中心はあくまで本尊なのにも関わらずです。
 
実際に、ご遺族が本尊でなく位牌に手を合わせ話しかける姿をお見かけします。
位牌に語りかけるというのは、位牌=故人と見なしているのでしょうね。
 
ただ、位牌に魂が宿るといわれても、位牌に話しかける姿を見ても、
案外と自然なことのように感じます。
 
位牌を故人と見做すのは擬人化ですが、
国宝の「鳥獣人物戯画」から近年の「艦これ」まで、そういえば昔から日本人が擬人化が好きです。
位牌を見て故人を偲ぶことができるのは、その日本人的な感性なのかもしれませんね。
 
 


さて、
そろそろ飽きてきた頃ですよね?
今回はここまでです(^_^;)
 
次回トップ5をご紹介してゆきます。
更に飲み込みにくいコトバが登場しますよ。
最期には、冒頭の会葬礼状=黒歴史も公開する予定ですので是非お楽しみに。
 
それでは、最期までお読みいただき、
ありがとうございました
<(_ _)>